正岡子規の俳句を子規直筆の原稿で味わうショートタイムトリップ。

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子規俳句 季語・季題検索 冬 時候 寒し さむし
寒し さむし 寒さ さむさ 寒気 かんき 寒威 かんい 寒冷 かんれい 寒苦 かんく 寒夜 かんや 寒暁 かんぎょう 寒月 かんげつ 寒河 かんこう 寒巌 かんがん 寒柝 かんたく 寒翠 かんすい 寒笛 かんてき
図説俳句大歳時記 冬 34ページ 角川書店
カラー版 新日本大歳時記 冬 42ページ 愛蔵版 840ページ 講談社
季語別 子規俳句集 冬457ページ 子規記念博物館
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明治24年
売島痩せ孟郊寒し雪の梅
明治25年
夜著かたくからだにそはぬ寒さ哉
冬川の涸れて蛇籠の寒さ哉
為朝のお宿と書し寒さ哉
御格子に切髪かくる寒さ哉
馬糞のいきり立たる寒さ哉
馬痩せて鹿に似る頃の寒さ哉
仰向けぬ入道畠の寒さ哉
冬川の涸れて蛇籠の寒さ哉
明治26年
旃檀の実ばかりになる寒さ哉
媒にはしる鼬の寒さ哉
大名は牡丹のお間の寒さ哉
なきあとに妹が鏡の寒さ哉
けき然と牛解く音の寒さ哉
追剥の出るてふ松の寒さ哉
寝殿に蟇目の音の寒さ哉
うたゝねはさめて背筋の寒さ哉
大海のとりとめ難き寒さ哉
きぬきぬに念仏申す寒さ哉
うねうねと兀山寒し三河道
通されて子牛の穴の鼻寒し
ほつちりと味噌皿寒し膳の上
旭のうつる河岸裏寒し角田川
風吹て鈴鹿は寒し神送
熱田
むら雲の剣を拝む寒さ哉
雅俊不犯の鐘うたせたる事を
鐘うてば不犯とひゞく寒さ哉
飄亭出営
三年の洋服ぬぎし寒さ哉
神戸の錬卿に寄す
思ひやる都のあとの寒さ哉
百鬼夜行の図
一ッ目も三ッ目も光る寒さ哉
一年の夢さめかゝる寒さかな
寒さうに母の寝給ふ蒲団哉
たふとさに寒し神楽の舞少女
犬吠て枯野の伽藍月寒し
月寒し木葉衣を風わたる
白葱の一皿寒し牛の肉
明治27年
のら猫をかゝえて寝たる寒さ哉
狐火の潮水にうつる寒さ哉
人一人二人寒しや大広間
古城の石かけ崩す寒さ哉
むさゝびの石弓渡る寒さ哉
星落ちて石となる夜の寒さ哉
吉原の裏道寒し卵塔場
演劇夢結蝶に鳥追
大名をゆすりにかゝる寒さ哉
朝日さす材木河岸の寒さかな
大船の干潟にすわる寒さかな
傾城を舟へ呼ぶ夜の寒さかな
筑波嶺に顔そむけたる寒さかな
薪舟の関宿下る寒さかな
紙燭消えて安房の灯見ゆる寒さかな
古辻に郵便箱の寒さかな
森の上に富士見つけたる寒さかな
此頃の富士大きなる寒さかな
藁屋根に鮑のからの寒さかな
花もなし柩ばかりの寒さかな
新田に家建ちかゝる寒さかな
星こぼす天の河原の寒さかな
星絶えず飛んであら野の寒さかな
野の中にー本杉の寒さかな
物もなき神殿寒し大々鼓
足もとに寒し大きな月一つ
新阪
仏でもなうて焚かれぬ寒さかな
燃料になるべき仏さへもたねば
目の前に顔のちらつく寒さかな
亡友の墓にまうでゝ
名處は冬菜の肥ゆる寒さかな
納豆汁腹あたゝかに風寒し
信州の寒さを思ふ蕎麦湯哉
明治28年
大名の通つてあとの寒さ哉
くらがりの人に逢ふたる寒さ哉
薔薇の花の此頃絶えし寒さ哉
水音の枕に落つる寒さ哉
木のあひに星のきらつく寒さ哉
野を行けば乞食の鉦の寒さ哉
山風にほうと立つたる寒さ哉
はつきりと富士の見えたる寒さ哉
旅籠屋の我につれなき寒さ哉
なまじひに人に逢ふ夜の寒さ哉
塀越に狐火見ゆる寒さ哉
雨晴れて風〃凪いで寒さ哉
母病んで粥をたく子の寒さ哉
庭の月昼のやうなる寒さ哉
見上げたる高石かけの寒さ哉
薄暗き穴八幡の寒さ哉
又例の羅漢の軸の寒さ哉
舟ばたに海のぞきたる寒さ哉
谷のぞく十綱の橋の寒さ哉
藤原の出口に寒し牢屋敷
雲なくて空の寒さよ小山越
囚人の頸筋寒し馬の上
仏焚いて仏壇寒し味噌の皿
寒さうに金魚の浮きし日向哉
この寒さ越後の人のなつかしき
神田橋
石垣や松這ひ出でゝ水寒し
鬼の画に
掛けられて汝に此世の風寒し
壮士
肩を張り拳を握る寒さ哉
素香氏の北海道へ行くを送る
この寒さ北に向いたる別れ哉
われも軍隊歓迎会に招かれて
めでたさに袴つけたる寒さ哉
この寒さ君何地へか去らんとす
狼烟見る人の寒さや城の上
昔記山川是今傷人代非
このたびは一人で通る寒さ哉
明治29年
牢を出て人の顔見る寒さ哉
出女のへりて目黒の寒さ哉
半焼の家に人住む寒さ哉
六十にして洗礼受くる寒さ哉
念仏に紛らして居る寒さ哉
水涸れて橋行く人の寒さ哉
刀売つて土手八町の寒さ哉
くらがりに大仏見ゆる寒さ哉
古刀人の味知る寒さ哉
山城に睨まれて居る寒さ哉
江に向いて一膳飯の店寒し
川上も川下もばつとして寒し
故里の入口寒し乱塔場
月近く覗いて寒し山の寺
客稀に大丸寒し釜の湯気
瀧涸れて日向に寒し不動尊
堂寒し羅漢五百の眼の光
狼の糞見て寒し白根越
山寒し樵夫一人下りて行く
吉原
寒さうに皆きぬきぬの顔許り
荊軻
再びは帰らぬ道の寒さかな
病中
寒さうに夜伽の人の假寝哉
開花樓に琵琶を聴く 二句
蝋燭の泪を流す寒さ哉
明治30年
四十にて子におくれたる寒さ哉
皇太后陛下御病気
この寒さ神だちも看とり参らせよ
人住まぬ別荘寒し樫木原
世の中のひつそりとなる寒さ哉
平民の御悔み申す寒さ哉
涙さへ盡きて余りの寒さかな
物部の手に剣寒し喪のしるし
出家せんとして寺を思へば寒さ哉
碧梧桐天然痘にかゝりて入院せるに遣す
寒からう痒からう人に逢ひたからう
大赦
赦されて囚人薄き衣寒し
雲もなき不二見て寒し江戸の町
毒龍を静めて淵の色寒し
叡山
将門の都睨みし山寒し
焼跡の柱焦げて立つ寒さ哉
新宅の柱巻きある寒さ哉
武蔵野の明星寒し葱畑
明治31年
焼跡に小屋かけて居る寒さ哉
牢を出て再び寒し娑婆の風
亡き犬に犬小屋覗く寒さ哉
亡き人のまほろし寒し化粧の間
題猿図〔二句〕
飼猿よこの頃木曽の月寒し
背戸の外は日本海の波寒し
病中小照自題
写し見る鏡中の人吾寒し
蕎麦屋出て永阪上る寒さ哉
悼
床の間に櫁の青き寒さ哉
松寒し樓門兀て矢大臣
明治32年
行き馴れし墓の小道や杉寒し
片側は海はつとして寒さ哉
大船の中を漕ぎ出し寒哉
深川は埋地の多き寒さ哉
寒さうな外の草木やガラス窓
明治33年
浅井氏の洋行を送る
先生のお留守寒しや上根岸
顔包む襟巻解けて寒さ哉
頬腫の鏡にうつる寒さ哉
泥舟の二つ並んで川寒し
明治34年
家めぐる冬田の水の寒さかな
明治35年
清潭の居る山寒し獅子の声
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