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寒山落木一 表紙

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正岡子規の俳句を子規直筆の原稿で味わうショートタイムトリップ。

寒山落木四

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明治28年

小春 こはる

電信に雀の並ぶ小春かなこの句をメールに添付

山門に鹿干す奈良の小春かなこの句をメールに添付

廻廓に銭の落ちたる小春かなこの句をメールに添付

山底に世と断つ村も小春かなこの句をメールに添付

痩村に鳶舞ひ落つる小春哉この句をメールに添付

黒船に伝馬のたかる小春かなこの句をメールに添付

唐橋にむく犬眠る小春かなこの句をメールに添付

雲に近く行くや小春の真帆片帆この句をメールに添付

痩村に見ゆや小春の凧この句をメールに添付

病む人の病む人をとふ小春哉この句をメールに添付

うるさしや小春の蝿の顔につくこの句をメールに添付

病後二句

蜻蛉に馴るゝ小春の端居哉この句をメールに添付

あけ放す窓は上野の小春哉この句をメールに添付

春の暮より入院し居る虚空子のもとに遣はす

いたはしや花のなやみの小春までこの句をメールに添付

近衛師団凱旋

うれしくば開け小春の桜花この句をメールに添付

病中

寝るやうつゝ小春の蝶の影許りこの句をメールに添付

小六月 ころくがつ

日影さす人形店や小六月この句をメールに添付

牛の子や売られて遊ぶ小六月この句をメールに添付

新嘗祭

新米に菊の香もあれ小六月この句をメールに添付

神無月 かんなづき

馬鹿になる禰宜尊しや神無月この句をメールに添付

十月 じゅうがつ

十月の海は凪いだり蜜柑船この句をメールに添付

十月の海は帆がちに舟勝ちにこの句をメールに添付

十月の雀飛びこむほこら哉この句をメールに添付

十月の鳶も烏も出でにけりこの句をメールに添付

十月の日和に掛けし晩稲哉この句をメールに添付

十月や鳩米ひろふ蔵の前この句をメールに添付

初冬 はつふゆ

初冬の萩も芒もたばねけりこの句をメールに添付

初冬の鴉飛ぶなり二見潟この句をメールに添付

冬立つや立たずや留守の一つ家この句をメールに添付

菊の香や月夜ながらに冬に入るこの句をメールに添付

霜月 しもつき

霜月の野の宮残る嵯峨野哉この句をメールに添付

霜月や奈良の都の卜屋算この句をメールに添付

霜月や淀の夜舟の三四人この句をメールに添付

霜月や雲もかゝらぬ昼の富士この句をメールに添付

師走 しわす

草の根を鼠のかぢる師走かなこの句をメールに添付

うしろから追はるゝやうな師走哉この句をメールに添付

艦隊の港につどふ師走かなこの句をメールに添付

夕霧より伊左さま参る師走哉この句をメールに添付

馬糞も見えず師走の日本橋この句をメールに添付

風光る師走の空の月夜かなこの句をメールに添付

気楽さのまたや師走の草枕この句をメールに添付

馬の息見えて師走の夜明哉この句をメールに添付

年末 ねんまつ

行く年の雪五六尺つもりけりこの句をメールに添付

行く年や茶番に似たる人のさまこの句をメールに添付

行く年の四つ橋に灯の往来哉この句をメールに添付

年暮れぬ太平洋の船の中この句をメールに添付

歳暮とも何ともなしに山の雲この句をメールに添付

隠れ家の年行かんともせざりけりこの句をメールに添付

思ふこと今年も暮れてしまひけりこの句をメールに添付

山門や浮世ながむる年の暮この句をメールに添付

だまされて遊女うらむや年の暮この句をメールに添付

蜘の巣のかくて今年も暮れにけりこの句をメールに添付

丹青不知老將至

画の駒の馳せて年行く白髪哉この句をメールに添付

大三十日 おおみそか

摺小木や大つごもりを掻き廻すこの句をメールに添付

梅活けし青磁の瓶や大三十日この句をメールに添付

漱石虚子来る二句

語りけり大つごもりの来ぬところこの句をメールに添付

漱石が来て虚子が来て大三十日この句をメールに添付

漱石来るべき約あり

梅活けて君待つ菴の大三十日この句をメールに添付

春近 

あかゞりや一寸われて春近しこの句をメールに添付

春待つや只四五寸の梅の苗この句をメールに添付

寒さ さむさ

大名の通つてあとの寒さ哉この句をメールに添付

くらがりの人に逢ふたる寒さ哉この句をメールに添付

薔薇の花の此頃絶えし寒さ哉この句をメールに添付

水音の枕に落つる寒さ哉この句をメールに添付

木のあひに星のきらつく寒さ哉この句をメールに添付

野を行けば乞食の鉦の寒さ哉この句をメールに添付

山風にほうと立つたる寒さ哉この句をメールに添付

はつきりと富士の見えたる寒さ哉この句をメールに添付

旅籠屋の我につれなき寒さ哉この句をメールに添付

なまじひに人に逢ふ夜の寒さ哉この句をメールに添付

塀越に狐火見ゆる寒さ哉この句をメールに添付

雨晴れて風〃凪いで寒さ哉この句をメールに添付

母病んで粥をたく子の寒さ哉この句をメールに添付

庭の月昼のやうなる寒さ哉この句をメールに添付

見上げたる高石かけの寒さ哉この句をメールに添付

薄暗き穴八幡の寒さ哉この句をメールに添付

又例の羅漢の軸の寒さ哉この句をメールに添付

舟ばたに海のぞきたる寒さ哉この句をメールに添付

谷のぞく十綱の橋の寒さ哉この句をメールに添付

藤原の出口に寒し牢屋敷この句をメールに添付

雲なくて空の寒さよ小山越この句をメールに添付

囚人の頸筋寒し馬の上この句をメールに添付

仏焚いて仏壇寒し味噌の皿この句をメールに添付

寒さうに金魚の浮きし日向哉この句をメールに添付

この寒さ越後の人のなつかしきこの句をメールに添付

寒き日を書もてはひる厠かなこの句をメールに添付

寒き夜や妹がり行けば饂飩売この句をメールに添付

寒けれど不二見て居るや阪の上この句をメールに添付

神田橋

石垣や松這ひ出でゝ水寒しこの句をメールに添付

鬼の画に

掛けられて汝に此世の風寒しこの句をメールに添付

壮士

肩を張り拳を握る寒さ哉この句をメールに添付

素香氏の北海道へ行くを送る

この寒さ北に向いたる別れ哉この句をメールに添付

漱石東京へ来りしに

足柄はさぞ寒かつたでござんしょうこの句をメールに添付

われも軍隊歓迎会に招かれて

めでたさに袴つけたる寒さ哉この句をメールに添付

この寒さ君何地へか去らんとすこの句をメールに添付

狼烟見る人の寒さや城の上この句をメールに添付

昔記山川是今傷人代非

このたびは一人で通る寒さ哉この句をメールに添付

冬され ふゆされ・ふゆざれ

冬されや水なき河の橋長しこの句をメールに添付

冬さるゝ小店や蜜柑薩摩芋この句をメールに添付

冬されや焼場をめぐる枳穀垣この句をメールに添付

冬日 ふゆひ

冬の日の雀下りけり飯時分この句をメールに添付

冬夜 ふゆよ

冬の夜の稲妻薄し星の中この句をメールに添付

一月十八日夜

冬の夜の更けてなゐふるともし哉この句をメールに添付

霜夜 しもよ

金岡の馬静まりし霜夜哉この句をメールに添付

冬時候雑 

大木のすつくと高し冬の門この句をメールに添付

音もなし冬の小村の八九軒この句をメールに添付

冬や今年我病めり古書二百巻この句をメールに添付

冬や今年今年や冬となりにけりこの句をメールに添付

十夜 じゅうや

旅僧のとまり合せて十夜哉この句をメールに添付

月影や外は十夜の人通りこの句をメールに添付

御命講 おめいこう

日の入や法師居並ぶ御命講この句をメールに添付

佐渡へ行く舟呼びもどせ御命講この句をメールに添付

神の留守 かみのるす

狛犬の片足折れぬ神の留守この句をメールに添付

臘八 ろうはち

臘八や眠たがる目に雲白しこの句をメールに添付

寒念仏 かんねぶつ

寒念仏に行きあたりけり寒念仏この句をメールに添付

通るなり又寒念仏五六人この句をメールに添付

鉢叩 はちたたき

鉢叩き敲きわつたる音すなりこの句をメールに添付

神送 かみおくり

神送り出雲へ向ふ雲の脚この句をメールに添付

門松売 

眼鏡橋門松舟の着きにけりこの句をメールに添付

年市 としのいち

年の市橋へ出ぬけて月夜かなこの句をメールに添付

年の市十町許りつゞきけりこの句をメールに添付

雨雲の人にかゝるや年の市この句をメールに添付

馬の尻に行きあたりけり年の市この句をメールに添付

いそがしや人押しわける年の市この句をメールに添付

年とる としとる

西山へ年とりに行く一人かなこの句をメールに添付

煤払 すすはらい

煤払の門をおとなふ女かなこの句をメールに添付

煤払や神も仏も草の上この句をメールに添付

煤はくとおぼしき船の埃かなこの句をメールに添付

煤はいて蕪村の幅のかゝりけりこの句をメールに添付

煤はきのこゝだけ許せ四畳半この句をメールに添付

煤はらひ又古下駄の流れ来るこの句をメールに添付

大仏の雲もついでに煤はらひこの句をメールに添付

仏壇に風呂敷かけて煤はらひこの句をメールに添付

奈良

千年の煤もはらはず仏だちこの句をメールに添付

掛乞 かけごい

掛乞の留守を叩くや竹の門この句をメールに添付

大阪や掛乞だらけ橋だらけこの句をメールに添付

餅搗 もちつき

餅搗の烟にぎはふ城下かなこの句をメールに添付

年忘 としわすれ

年忘れ折〃猫の啼いて来るこの句をメールに添付

死にかけしこともありしか年忘れこの句をメールに添付

我庭の年忘れ草枯れにけりこの句をメールに添付

麦蒔 むぎまき

麦蒔や色の黒キは娘なりこの句をメールに添付

麦蒔や北砥部山の麓までこの句をメールに添付

爐開 ろびらき

爐開や叔父の法師の参られぬこの句をメールに添付

巨燵 こたつ

巨燵から見ゆるや橋の人通りこの句をメールに添付

人もなし巨燵の上の草双紙この句をメールに添付

縫物の背中にしたる巨燵哉この句をメールに添付

丁稚叱る身は無精さの巨燵哉この句をメールに添付

押しかけて妾になりし巨燵哉この句をメールに添付

かりそめの苦説にすねる巨燵哉この句をメールに添付

みちのくの旅籠屋さびて巨燵哉この句をメールに添付

昼中の傾城寝たるこたつ哉この句をメールに添付

老はものゝ恋にもうとし置火燵この句をメールに添付

漱石来る

何はなくとこたつ一つを参らせんこの句をメールに添付

風呂敷を掛けたる昼の巨燵かなこの句をメールに添付

火桶 ひおけ

文机の向きや火桶の置き處この句をメールに添付

化物に似てをかしさよ古火桶この句をメールに添付

火桶張る昔女の白髪かなこの句をメールに添付

湯婆 ゆたんぽ・たんぽ

傾城のひとり寝ねたる湯婆哉この句をメールに添付

舟に寝る遊女の足の湯婆哉この句をメールに添付

炭竃 すみがま

松伐つて月炭竈に上りけりこの句をメールに添付

炭売 すみうり

名處の炭売黒く生れけるこの句をメールに添付

炭 すみ

鋸に炭切る妹の手ぞ黒きこの句をメールに添付

炭団 たどん

米盡きて炭団たくはふ俵かなこの句をメールに添付

榾 ほた・ほだ

榾たくや檜の嵐杉の風この句をメールに添付

落武者に驚かされぬ榾の夢この句をメールに添付

榾の火や雲に理もる木曽の家この句をメールに添付

冬籠 ふゆごもり

冬こもり達磨は我をにらむ哉この句をメールに添付

冬こもり金平本の二三冊この句をメールに添付

冬こもり世間の音を聞いて居るこの句をメールに添付

冬こもりをのこ子一人まうけゝるこの句をメールに添付

冬こもり煙のもるゝ壁の穴この句をメールに添付

冬こもり顔も洗はず書に対すこの句をメールに添付

冬こもり昼の蒲団のすぢかひにこの句をメールに添付

冬や今年われ古里にこもりけりこの句をメールに添付

五器皿を見れば味噌あり冬籠この句をメールに添付

雲のそく障子の穴や冬こもりこの句をメールに添付

山も見ず海も見ず船に冬こもりこの句をメールに添付

琴の音の聞えてゆかし冬籠この句をメールに添付

うら若き妾かゝえて冬こもりこの句をメールに添付

人病んでせんかたなさの冬こもりこの句をメールに添付

なかなかに病むを力の冬こもりこの句をメールに添付

唐の春奈良の秋見て冬こもりこの句をメールに添付

あぢきなや三重の病に冬こもりこの句をメールに添付

蜘の巣の中につゝくり冬こもりこの句をメールに添付

二夫婦二かたまりに冬こもりこの句をメールに添付

商人の坐敷に僧の冬こもりこの句をメールに添付

音もせず親子二人の冬こもりこの句をメールに添付

傾城の文届きけり冬こもりこの句をメールに添付

冬籠書斎の掃除無用なりこの句をメールに添付

達磨賛

冬籠物くはぬ日はよもあらじこの句をメールに添付

ある山里を思ひいでゝ

一町は山のどん底に冬こもりこの句をメールに添付

頭巾 ずきん

頭巾着て人と話すや橋の上この句をメールに添付

我親に似てをかしさよ古頭巾この句をメールに添付

兜着たことは昔に頭巾かなこの句をメールに添付

薙刀に焚火のうつる頭巾かなこの句をメールに添付

すれ違ひ又ふりかへる頭巾かなこの句をメールに添付

赤頭巾人甘んじて老いけらしこの句をメールに添付

頭巾着て女に似たる男かなこの句をメールに添付

蒲団 ふとん

短さに蒲団を引けば猫の声この句をメールに添付

紙子 かみこ

鐘つきの雲に濡れたる紙子哉この句をメールに添付

子鼠の尿かけたる紙子哉この句をメールに添付

網代守 あじろもり

ながらへて八十路になりぬ網代守この句をメールに添付

暁や凍えも死なで網代守この句をメールに添付

手凍えて筆動かず夜や更けぬらんこの句をメールに添付

凍 いて

手凍えて筆動かず夜け更けぬらんこの句をメールに添付

霜やけ しもやけ

おちぶれて人霜やけにわぶるかなこの句をメールに添付

霜やけや娘の指のおそろしきこの句をメールに添付

皸 あかぎれ

胼多き皸多き手足かなこの句をメールに添付

あかゞりや傾城老いて上根岸この句をメールに添付

姑やあかゞりの手の恐ろしきこの句をメールに添付

風呂吹 ふろふき

黒塚や赤子の腕の風呂吹をこの句をメールに添付

風呂吹の口をやかぬぞ口をしきこの句をメールに添付

茎菜 くきな

朝霜や猶青臭き茎菜桶この句をメールに添付

納豆 なっとう

納豆や飯焚一人僧一人この句をメールに添付

起きよ今朝叩け納豆小僧どもこの句をメールに添付

薬喰 くすりぐい

戸を叩く音は狸か薬喰この句をメールに添付

鰒汁 ふぐじる・ふぐとじる

鰒汁心もとなき寝つき哉この句をメールに添付

鰒汁一休去つて僧もなしこの句をメールに添付

鷹匠 たかじょう

鷹匠の鷹はなしたる荒野哉この句をメールに添付

冬人事雑 

無精さや蒲団の中で足袋をぬぐこの句をメールに添付

時雨 しぐれ

新発智の青き頭を初時雨この句をメールに添付

上人を載する舟ありむら時雨この句をメールに添付

旅僧の牛に乗つたる時雨哉この句をメールに添付

白菊の少しあからむ時雨哉この句をメールに添付

稲掛けて神南村の時雨哉この句をメールに添付

鶏の子の草原あさる時雨哉この句をメールに添付

三井寺に颯と湖水の時雨哉この句をメールに添付

いつの間に星なくなつて時雨哉この句をメールに添付

大名の柩ぬれたる時雨かなこの句をメールに添付

塩鯛の塩ほろほろと時雨かなこの句をメールに添付

橋は夕日竹屋の渡ししぐれけりこの句をメールに添付

五六艘五平太船のしぐれけりこの句をメールに添付

ひつじ田に三畝の緑をしぐれけりこの句をメールに添付

提灯の見えつかくれつしぐれけりこの句をメールに添付

汽車此夜不二足柄としぐれけりこの句をメールに添付

島守のあらめの衣しぐれけりこの句をメールに添付

土佐の海南もなしにしぐれけりこの句をメールに添付

大仏の鐘が鳴るなり小夜時雨この句をメールに添付

傾城は知らじ三夜さのむら時雨この句をメールに添付

火ともしの火ともしかねつむら時雨この句をメールに添付

月やうそ嵐やまこと初時雨この句をメールに添付

釣舟やしぐれて帰る鳰の湖この句をメールに添付

旅人や橋にしぐるゝ馬の上この句をメールに添付

行きつかねうちにしぐるゝ矢走哉この句をメールに添付

月出るやしぐるゝ雲の裏手よりこの句をメールに添付

花売の片荷しぐれて帰りけりこの句をメールに添付

大和路は時雨ふるらし汽車の覆この句をメールに添付

しぐるゝや紅薄き薔薇の花この句をメールに添付

しぐれけり月代巳に杉の上この句をメールに添付

しぐるゝや上野谷中の杉木立この句をメールに添付

しぐるゝや隣の小松庵の菊この句をメールに添付

しぐるゝや右は亀山星が岡この句をメールに添付

吉原や昼のやうなる小夜時雨この句をメールに添付

病中

しぐるゝや腰湯ぬるみて雁の声この句をメールに添付

北白川宮薨御と聞き侍りてそゞろ涙せきあへず金州御在陣の時の事など只まぼろしのごとくに覚えて

しぐるれど御笠参らすよしもなしこの句をメールに添付

何がしにつかはす

しぐれつゝも菊健在也我宿はこの句をメールに添付

病める可全につかはす

初しぐれ君が病ひのまじなひにこの句をメールに添付

謡曲絃上

盤渉にしぐるゝ須磨の夕哉この句をメールに添付

雲百句の内

京さして山の時雨の迷ひ雲この句をメールに添付

傾ける傘の裏行く時雨かなこの句をメールに添付

剣に舞へばさつとしぐるゝ砦かなこの句をメールに添付

凩 こがらし

凩や胴の破れし太鼓橋この句をメールに添付

凩や雲吹き落す海のはてこの句をメールに添付

凩や船沈みたるあたりよりこの句をメールに添付

凩やものもうつらぬ窓の月この句をメールに添付

凩や月の光りを吹き散らすこの句をメールに添付

凩や海へ吹かるゝ人の声この句をメールに添付

凩を空へ吹かせて谷の家この句をメールに添付

凩の馬吹き飛ばす広野哉この句をメールに添付

凩の外は落葉の月夜哉この句をメールに添付

凩に向ふて登る峠かなこの句をメールに添付

凩や大仏どのは聾なりこの句をメールに添付

凩やよろよろ薄よろよろとこの句をメールに添付

凩や十年売れぬ古仏この句をメールに添付

凩や鼠の腐る狐罠この句をメールに添付

凩や鹿の餌売れぬ豆腐殻この句をメールに添付

凩や鐘引きすてし道の端この句をメールに添付

凩や號〃として瀧落つるこの句をメールに添付

凩や犬吠え立つる外が濱この句をメールに添付

ひうひうと凩鳴るや庵の空この句をメールに添付

妖怪体

古御所や凩更けて笑ひ声この句をメールに添付

凩や君がまぼろし吹きちらすこの句をメールに添付

十六羅漢図

凩に尖らぬ頭ぞなかりけるこの句をメールに添付

から尻に凩つよき広野哉この句をメールに添付

冬月 

冬の月五重の塔の裸なりこの句をメールに添付

裏山や月冴えて笹の音は何この句をメールに添付

寒月や猫の眼光る庭の隅この句をメールに添付

木の影や我影動く冬の月この句をメールに添付

寒月や吹き落されて岩の間この句をメールに添付

寒月や石塔の影杉の影この句をメールに添付

寒月や雲盡きて猶風はげしこの句をメールに添付

寒月や造船場の裸船この句をメールに添付

寒月や捨子乳に泣く橋の上この句をメールに添付

雪 ゆき

金殿のともし火細し夜の雪この句をメールに添付

敷芝や松の下陰雪残るこの句をメールに添付

武蔵野やあちらこちらの雪の山この句をメールに添付

くるりくるり丸木の舟の雪もなしこの句をメールに添付

峠より人の下り来る吹雪哉この句をメールに添付

むり向いて塔見あげたる吹雪哉この句をメールに添付

つらなりていくつも丸し雪の岡この句をメールに添付

竹藪の梢に遠し雪の山この句をメールに添付

辻堂に火を焚く僧や夜の雪この句をメールに添付

兀山の雪にもならであはれなりこの句をメールに添付

二三尺雪積む野辺の地蔵哉この句をメールに添付

帰るさや初雪やんで十日月この句をメールに添付

五六軒雪つむ家や枯木立この句をメールに添付

山里や雪積む下の水の音この句をメールに添付

音もせずなりぬ吹雪の馬の鈴この句をメールに添付

高縄と知られて雪の尾上哉この句をメールに添付

古関や雪にうもれて鹿の声この句をメールに添付

大仏の片肌雪の解けにけりこの句をメールに添付

学寮へつゞくや雪の道一つこの句をメールに添付

杉垣の上に雪持つ小家哉この句をメールに添付

阪道や吹雪に下る四手駕この句をメールに添付

吹き乱す吹雪の鷹の鈴暮れたりこの句をメールに添付

初雪の大雪になるそ口をしきこの句をメールに添付

雪ながら山紫の夕かなこの句をメールに添付

夜の雪やせわしく叩く医者の門この句をメールに添付

雪雲の空にたゞよふ裾野哉この句をメールに添付

初雪や橋の擬宝珠に鳴く鴉この句をメールに添付

初雪のはらりと降りし小不二哉この句をメールに添付

雪ながら氷る小道や星月夜この句をメールに添付

雪積むや次第下りの屋根続きこの句をメールに添付

雪空の一隅赤き入日かなこの句をメールに添付

松の雪われて落ちけり水の中この句をメールに添付

病中

庭の雪見るや厠の行き戻りこの句をメールに添付

送別

雪の旅おもしろからんさりながらこの句をメールに添付

霰 あられ

炮烙に豆のはぢきや玉あられこの句をメールに添付

大仏のまじろきもせぬ霰哉この句をメールに添付

薙刀を車輪にまはす霰哉この句をメールに添付

石橋の上にたまらぬ霰哉この句をメールに添付

岩関の岩にけし飛ぶ霰哉この句をメールに添付

旅僧の笠破れたる霰哉この句をメールに添付

猪の人をかけたる霰かなこの句をメールに添付

拾舟の中にたばしる霰かなこの句をメールに添付

ものすごき音や霰の雲ばなれこの句をメールに添付

すさましや霰ふりこむ鳰の海この句をメールに添付

暁や霰のたまるおとし穴この句をメールに添付

大粒な霰ふるなり薄氷この句をメールに添付

逢阪や霰たばしる牛の角この句をメールに添付

霙 みぞれ

霙にもなりぬべらなり宵の雨この句をメールに添付

涸れ沼の泥にみぞるゝ夕かなこの句をメールに添付

みぞるゝや水道橋の薪舟この句をメールに添付

冬雨 ふゆのあめ

古濠やだらりだらりと冬の雨この句をメールに添付

霜 しも

鍋の霜日の短きも限りかなこの句をメールに添付

朝霜に日の昇りたる城下かなこの句をメールに添付

朝霧や不二を見に出る廊下口この句をメールに添付

初霜に負けて倒れし菊の花この句をメールに添付

初霜や鏡にうつる鬢の上この句をメールに添付

橋の霜雀が下りて遊びけりこの句をメールに添付

暁や御庭の霜の拾篝この句をメールに添付

尼寺の錠かゝりけり門の霜この句をメールに添付

きやべつ菜に横濱近し畑の霜この句をメールに添付

腰の疾にかゝりて

起せども腰が抜けたか霜の菊この句をメールに添付

中野逍遥を吊ふ

世の中を恨みつくして土の霜この句をメールに添付

冬日 ふゆひ

冬の日やわつかの雲のすきに入るこの句をメールに添付

冬の日や馬の背中に落ちかゝるこの句をメールに添付

冬の日の落ちて明るし城の松この句をメールに添付

冬の日のとゞかずなりし小村哉この句をメールに添付

枯野 かれの

辻堂のあとになりたる枯野かなこの句をメールに添付

満月の半分出かゝる枯野かなこの句をメールに添付

舟曳の斜めにそろふ枯野かなこの句をメールに添付

鳥飛んで荷馬驚く枯野かなこの句をメールに添付

辻駕に狐乗せたる枯野かなこの句をメールに添付

馬見えて雉子の逃げる枯野栽この句をメールに添付

筵帆の白帆にまじる枯野哉この句をメールに添付

村人の都へ通ふ枯野哉この句をメールに添付

乞食の鐚銭拾ふ枯野哉この句をメールに添付

鳶一羽はるかに落つる枯野哉この句をメールに添付

めづらしく女に逢ひし枯野哉この句をメールに添付

汽車あらはに枯野を走る烟哉この句をメールに添付

五六人行くや枯野の一つ道この句をメールに添付

冬田 ふゆた

あぜ許り見えて重なる冬田哉この句をメールに添付

駒込の阪を下れば冬田かなこの句をメールに添付

汽車道の目標高き冬田かなこの句をメールに添付

科頭に烏のとまる冬田かなこの句をメールに添付

汽車道の一段高き冬田かなこの句をメールに添付

見下せば晩稲の残る冬田哉この句をメールに添付

菜畠もまじりて広き冬田哉この句をメールに添付

冬川 ふゆかわ

冬川に鴨の毛かゝる芥かなこの句をメールに添付

冬川の河原ばかりとなりにけりこの句をメールに添付

橋杭に残る藻屑や冬の川この句をメールに添付

雲絶えて源涸れぬ冬の川この句をメールに添付

水筋は涸れて芥や冬の川この句をメールに添付

冬の水 ふゆのみず

雪堕ちて泥静まりぬ冬の水この句をメールに添付

氷 こおり

古濠の小鴨も居らぬ氷かなこの句をメールに添付

獺の橋裏わたる氷かなこの句をメールに添付

水鳥の小舟に上る氷かなこの句をメールに添付

兀山をめぐらす浦の氷哉この句をメールに添付

崖道を氷室へはこぶ氷哉この句をメールに添付

しんとして榛名の池の氷哉この句をメールに添付

溝川に竹垂れかゝる氷かなこの句をメールに添付

刈株に水をはなるゝ氷かなこの句をメールに添付

人住まぬ屋敷の池の氷かなこの句をメールに添付

はりはりと白水落つる氷かなこの句をメールに添付

ひゞわれる音や旭のさす田の氷この句をメールに添付

四辻や打水氷る朝日影この句をメールに添付

鶺鴒の刈株つたふ氷かなこの句をメールに添付

小夜更けて氷を叩く隣かなこの句をメールに添付

暁の氷すり砕く硯かなこの句をメールに添付

氷柱 つらら

旭のさすや檐の氷柱の長短この句をメールに添付

霜柱 しもばしら

土ともに崩るゝ崕の霜柱この句をメールに添付

枯れ盡す菊の畠の霜柱この句をメールに添付

鳰 にお・かいつぶり

潮や渺〃として鳰一つこの句をメールに添付

橋ぎはへ流れて来たか鳰この句をメールに添付

薄氷を砕いて鳰の浮きにけりこの句をメールに添付

鴨 かも

鴨啼くや上野は闇に横はるこの句をメールに添付

古池や凍りもつかで鴨の足この句をメールに添付

鴨は見るばかり味噌汁酒の燗この句をメールに添付

搦手や昼凄うして濠の鴨この句をメールに添付

内濠に小鴨のたまる日向哉この句をメールに添付

蓮枯れて氷に眠る小鴨哉この句をメールに添付

千鳥 ちどり

風に崩れ月に砕けて鳴く千鳥この句をメールに添付

浦風にまた舞ひ戻る千鳥哉この句をメールに添付

灯も見えず闇の漁村のむら千鳥この句をメールに添付

猪牙借りて妹がり行けば川千鳥この句をメールに添付

千鳥飛んで雲うつくしき夕哉この句をメールに添付

鴛鴦 おしどり・おし

根岸

迷ひ出でし誰が別荘の鴛一羽この句をメールに添付

木兎 みみずく・つく

世の中は木兎の耳のなくも哉この句をメールに添付

鰒 ふぐ

鰒くふて悪女を夢に見る夜哉この句をメールに添付

鰒も啼けこゝはきのふの船軍この句をメールに添付

乾鮭 からざけ・からさけ

乾鮭に鶯を待つ裏家哉この句をメールに添付

乾鮭のつら並べたる檐端哉この句をメールに添付

鯨 くじら

百艘の舟にとりまく鯨哉この句をメールに添付

冬蝿 ふゆのはえ

冬の蝿火鉢の縁をはひありくこの句をメールに添付

うとましや世にながらへて冬の蝿この句をメールに添付

病に臥して

我病みて冬の蝿にも劣りけりこの句をメールに添付

海鼠 なまこ

引汐に引き残されし海鼠哉この句をメールに添付

蠣 かき

引汐や岩あらはれて蠣の殻この句をメールに添付

紅葉散 もみじちる

目もあやに紅葉ちりかゝる舞の袖この句をメールに添付

山探し樫の葉落ちる紅葉散るこの句をメールに添付

門前の小溝にくさる紅葉哉この句をメールに添付

落葉 おちば

狼の墓堀り探す落葉哉この句をメールに添付

猪の夜たゞがさつく落葉哉この句をメールに添付

舞ひながら渦に吸はるゝ木葉哉この句をメールに添付

堀割の道じくじくと落葉哉この句をメールに添付

谷底にとゞきかねたる落葉哉この句をメールに添付

月の出やはらりはらりと木の葉散るこの句をメールに添付

古家や狸石打つ落葉の夜この句をメールに添付

泉水に落葉のたまる小舟哉この句をメールに添付

古池に落葉つもりぬ水の上この句をメールに添付

窓の影夕日の落葉頻り也この句をメールに添付

落付きの知れぬ木の葉や風の空この句をメールに添付

二三枚落葉沈みぬ手水鉢この句をメールに添付

関守の木の葉燃やすや猫火鉢この句をメールに添付

吹き下す風の木の葉や壇かつらこの句をメールに添付

庵寂びぬ落葉掃く音風の音この句をメールに添付

病起始めて門を出づ

はらはらと身に舞ひかゝる木葉哉この句をメールに添付

神田の銀杏樹を見て

落葉して北に傾く銀杏かなこの句をメールに添付

落葉して鳥啼く里の老木哉この句をメールに添付

冬木 ふゆき

汽車道に冬木の影の並びけりこの句をメールに添付

ことごとく藁を掛けたる冬木哉この句をメールに添付

真間寺や枯木の中の仁王門この句をメールに添付

冬木立 ふゆこだち

冬木立瀧ごうごうと聞えけりこの句をメールに添付

絶壁に月かゝりけり冬木立この句をメールに添付

田の畦も畠のへりも冬木立この句をメールに添付

岡ぞひや杉の木まじり冬木立この句をメールに添付

煙突や千住あたりの冬木立この句をメールに添付

山門を出て八町の冬木立この句をメールに添付

片側は杉の木立や冬木立この句をメールに添付

門前のすぐに阪なり冬木立この句をメールに添付

四辻や東芝山冬木立この句をメールに添付

雲かくす山陰も無し冬木立この句をメールに添付

横須賀や只帆檣の冬木立この句をメールに添付

白帆ばかり見ゆや漁村の冬木立この句をメールに添付

夕栄や鴉しづまる冬木立この句をメールに添付

枯柳 かれやなぎ

橋もとや厠のそばの枯柳この句をメールに添付

まつち売るともし火暗し枯柳この句をメールに添付

古橋やいぶしこぶしの枯柳この句をメールに添付

辻〃のともし火赤し枯柳この句をメールに添付

枯柳桟橋朽ちて舟もなしこの句をメールに添付

不忍池

枯柳三味線の音更けにけりこの句をメールに添付

山茶花 さざんか

山茶花を雀のこぼす日和哉この句をメールに添付

山茶花のこゝを書斎と定めたりこの句をメールに添付

板塀や山茶花見ゆる末ばかりこの句をメールに添付

板塀に山茶花見ゆる梢哉この句をメールに添付

山茶花や窓に影さす飯時分この句をメールに添付

山茶花の散る裏門や舘船この句をメールに添付

茶花 ちゃばな

藪陰に茶の花白し昼の月この句をメールに添付

枇杷花 びわのはな

枇杷咲くや寺は鐘うつ飯時分この句をメールに添付

石手寺

山門や妙なところに枇杷の花この句をメールに添付

室の梅 むろのうめ

咲いたとてそれがどうした室の梅この句をメールに添付

早梅 そうばい

金杉や早梅一枝垣の外この句をメールに添付

寒椿 かんつばき

寒椿黒き仏に手向けばやこの句をメールに添付

帰花 かえりばな

帰り咲く八重の桜や法隆寺この句をメールに添付

なかなかに咲くあはれさよ帰り花この句をメールに添付

冬枯 ふゆがれ

唐辛子妹が垣根も冬枯るゝこの句をメールに添付

古堀や水草少し冬枯るゝこの句をメールに添付

冬枯や奈良の小店の鹿の角この句をメールに添付

冬枯や烏のとまる刎釣瓶この句をメールに添付

冬枯や石臼残る井戸の端この句をメールに添付

冬枯や木もなき堤馬帰るこの句をメールに添付

冬枯れて森の堺の柵長しこの句をメールに添付

冬枯や馬の尿する原の中この句をメールに添付

冬枯の中に小菊の赤さかなこの句をメールに添付

冬枯や鏡にうつる雲の影この句をメールに添付

冬枯るゝ土橋の縁の小草かなこの句をメールに添付

冬枯や三の台場の高燈籠この句をメールに添付

冬枯や童のくゞる枳穀垣この句をメールに添付

仁王門の図に

冬枯や鳩驚いて屋根の上この句をメールに添付

冬枯やともし火通ふ桑畑この句をメールに添付

枯葎 かれむぐら

枯れ盡す葎の底の小松かなこの句をメールに添付

枯れ盡す葎の底の小笹かなこの句をメールに添付

葎枯れて雲わき起る石のあたりこの句をメールに添付

草枯 くさがれ

草枯や雲にもうとき三笠山この句をメールに添付

草枯や堀割崩える二三間この句をメールに添付

草山の奇麗に枯れてしまひけりこの句をメールに添付

草枯れて南大門未だ建たずこの句をメールに添付

草枯や鷹に隠れて飛ぶ雀この句をメールに添付

枯菊 かれぎく

白菊の黄菊の何の彼の枯れぬこの句をメールに添付

菊枯るゝ南の窓ぞあたゝかきこの句をメールに添付

垣朽ちて小菊枯れたり妹が家この句をメールに添付

枯菊に着綿程の雲もなしこの句をメールに添付

幽霊に似て枯菊の影法師この句をメールに添付

露草枯 つゆくさかれる

野菊残り露草枯れぬ石の橋この句をメールに添付

枯蘆 かれあし

枯蘆や鶺鴒ありく水の隈この句をメールに添付

枯蓮 かれはす

蓮の実の飛ばずに枯れしものもあらんこの句をメールに添付

枯薄 かれすすき

古塚に行きあたりけり枯薄この句をメールに添付

枯尾花水なき川の広さかなこの句をメールに添付

尾花枯れて石あらはれぬ墓か否かこの句をメールに添付

枯尾花風吹き絶えて月もなしこの句をメールに添付

枯薄こゝらよ昔不破の関この句をメールに添付

枯芭蕉 かればしょう

なかなかに画師の庵の枯芭蕉この句をメールに添付

音のしてある夜倒れぬ枯芭蕉この句をメールに添付

枯芝 かれしば

枯芝に松緑なり丸の内この句をメールに添付

両側の枯芝高き小道かなこの句をメールに添付

水仙 すいせん

水仙に黄檗の僧老いにけりこの句をメールに添付

水仙にさはらぬ雲の高さ哉この句をメールに添付

水仙のいつまでかくて莟かなこの句をメールに添付

水仙は只竹藪に老いぬべしこの句をメールに添付

水仙に蒔絵はいやし硯箱この句をメールに添付

水仙にわびて味噌焼く火桶哉この句をメールに添付

古寺や大日如来水仙花この句をメールに添付

石蕗花 つわのはな・つわぶきのはな

日あたらぬ厠の陰の石蕗の花この句をメールに添付

明家や厠の陰の石蕗の花この句をメールに添付

日のあたる鍋の氷や石蕗の花この句をメールに添付

寒菊 かんぎく

上人のたよりまれなり冬の菊この句をメールに添付

寒菊や修覆半ばなる比丘尼寺この句をメールに添付

古沓や人おちぶれて冬の菊この句をメールに添付

薪をわりかけたる画に

寒菊の上にもの置く家陰哉この句をメールに添付

冬菊や下雪隠へ行く小道この句をメールに添付

冬牡丹 ふゆぼたん

尼寺に冬の牡丹もなかりけりこの句をメールに添付

冬牡丹尼になりたくは思へどもこの句をメールに添付

葱 ねぎ

滄浪の水澄めらば葱を洗ふべしこの句をメールに添付

ある夜葱筑波颪に折れ盡せりこの句をメールに添付

古里に根深畠は荒れにけりこの句をメールに添付

葱売の両国わたる夕かなこの句をメールに添付

冬菜 ふゆな

根岸郊外二句

竹立てゝ冬菜をかこふ畠かなこの句をメールに添付

水引くや冬菜を洗ふ一ト搆この句をメールに添付

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