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寒山落木一 表紙

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正岡子規の俳句を子規直筆の原稿で味わうショートタイムトリップ。

俳句稿 明治33年

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明治33年

冬 時候

寒き夜の銭湯遠き場末哉

浅井氏の洋行を送る

先生のお留守寒しや上根岸

香墨台湾へ行に二句

袷著て花さく冬を羨みぬ

冬の季にやゝ暑してふ題あらん

凍筆をホヤにかざして焦しけり

筆ちびてかすれし冬の日記哉

顔包む襟巻解けて寒さ哉

泥舟の二つ並んで川寒し

頬腫の鏡にうつる寒さ哉

蕪村遺稿刻成

冬の部に河豚の句多き句集哉

髯のある雑兵ともや冬の陣

冬人事

鼠取の薬買ひけり冬籠

人を噛む鼠出でけり夜半の冬

人を噛む鼠出でけり薄蒲団

鼠追ふて餅盗みくる火鉢哉

寒垢離や両国渡る鈴の音

寒垢離の我影はしる月夜かな

やき芋の皮をふるひし毛布哉

毛布著て机の下の鼾哉

蕪村忌に蕪村の軸もなかりけり

唐紙の自雲形や冬籠

白味噌や此頃飽きし納豆汁

香墨台<湾>へ行に二句

荷しまひや火燵のそはの夏衣

胼の手に団扇もつ日を数へけり

書きなれて書きよき筆や冬籠

筆多き硯の箱や冬籠

先生の筆見飽きたり冬籠

筆かりて旅の記を書く蒲団哉

御命講や寺につたはる祖師の筆

京の俳人に寄す

蕪村の蕪大祇の炭や冬籠

顔見世や定九郎の傘お軽の鏡

風呂吹やによろりに名あるによろり寺

風呂吹やによろり名高きによろり寺

顔見せや鏡に見ゆる皺の数

顔見せの楽屋覗けはお染哉

信州の人某〃来りて俳句のつくりやうを問ふ俳句は即景をよむべしといふことを 即事三句

信州の人に訪はれぬ冬籠

菓子箱をさし出したる火鉢哉

煎餅かんで俳句を談す火鉢哉

蒲団著て手をあぶり居る火鉢哉

貧血の君にさそはれくすり喰

血にかわく人の心やくすり喰

仏壇も火燵もあるや四畳半

羅漢寺の仏の数や煤払

水滸伝ノ内

納豆売る声や阿呆の武太郎

饅頭買ふて連に分つやお命講

ガラス戸や暖爐や庵の冬搆

煖爐据ゑて冬暖き日なりけり

我庵の煖爐開きや納豆汁

芭蕉忌や我俳諧の奈良茶飯

真中に碁盤すゑたる毛布かな

あらたまる明治の御代や春星忌

風呂吹をくふや蕪村の像の前

肺を病んで読書に耽る冬籠

故郷に肺を養ふ冬こもり

蕪村忌や奥のはたはた攝の蕪

仏壇の菓子うつくしき冬至哉

落柿舎の日記に句あり鉢叩

十年の苦学毛の無き毛布哉

毛布著た四五人連や象を見る

麦蒔の村を過ぎ行く写生哉

麦を蒔く花咲爺の子孫哉

豆の如き人皆麦を蒔くならし

風呂吹や蕪村百十八回忌

冬 天文

鳥にやる菜をむしりけり庭の霜

咲かで枯れし薔薇の蕾や朝の霜

霜の蟹や玉壷の酒の底濁り

酔蟹の壷を伺ふ霜夜かな

加賀人が料りて見せつ霜の蟹

加賀人が酢の塩梅や霜の蟹

承久

歌詠んで又泣きたまふ時雨哉

凩の吹くや泡なき蟹の口

鶏頭やこたへこたへて幾時雨

凩や燈爐にいもを焼く夜半

鶏頭の狼藉として時雨哉

冬 地理

冬の川石飛び渡り越えにけり

冬川や縄つたひ行く渡し舟

冬川や縄をくり行く渡し舟

冬川の砂とる土手の普請哉

素帰りの車をねぎる冬野哉

冬 動物

乾鮭の頭めでたし鬼退治

月渓かかける蕪村の像の写しを見て

乾鮭に目鼻つけたる御姿

河豚の顔の鏡に写る醜女哉

剛の坐は鰤臆の坐は海鼠哉

冬 木

紅葉散る岡の日和や除幕式

植込のうしろの方や枇杷の花

職業の分らぬ家や枇杷の花

茶の花や雨にぬれたる庭の石

菓子赤く茶の花白き忌日哉

冬 草

唐筆の安きを売るや水仙花

筆洗の水こほしけり水仙花

石筆のころがる椽や干大根

葱洗ふや野川の町に入る處

六尺の緑枯れたる芭蕉哉

日暮の里の舊家や冬牡丹

古株の枝槎牙として冬牡丹

火を焚かぬ煖爐の側や冬牡丹

寒牡丹枝兀として花一つ

冬牡丹若葉乏しみ寒げ也

冬牡丹咲かで腐りし蕾かな

病床に写生の料や冬牡丹

月兎新婚に

君がために冬牡丹かく祝哉

朝下る寒暖計や冬牡丹

冬牡丹頼み少く咲にけり

一つ散りて後に花なし冬牡丹

葱汁や京の下宿の老書生

此頃の空気乾くや枯鶏頭

庭石や草皆枯れて石蕗の花

大祇蕪村にいつれ大根蕪にいつれ

大根の刀蕪の矢の根かな

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