文を書く横顔見えて夜長哉
肌寒や石屋の門の石仏
誰が家の戸叩く音ぞ夜半の秋
犬の声靴の音長き夜なりけり
残暑燬如紫陽花の花腐りけり
庭前
白き花赤き花秋立にけり
家五百秋の芝居の太鼓鳴る
女郎買をやめて此頃秋の暮
鶏頭に秋の夕の迫りけり
胡紛兀し人形や土の肌寒み
飛んで来る余所の落葉や暮るゝ秋
鶏頭の傾く秋の名残哉
鶏頭に霜見る秋の名残哉
行秋や病気見舞の青蜜柑
鐘の音の輪をなして来る夜長哉
冬近き嵐に折れし鶏頭哉
冬を待つ用意かしこし四畳半
冬近く今年は髯を蓄へし
冬待つやつはものどもの皮衣
冬を待ついくさの後の舎営哉