正岡子規の俳句を子規直筆の原稿で味わうショートタイムトリップ。

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子規俳句 季語・季題検索 春 植物 梅 うめ
梅 うめ・野梅 のうめ やばい・白梅 はくばい・臥龍梅 がりょうばい・梅が香 うめがか・梅園 ばいえん・梅の宿 うめのやど・梅の主 うめのあるじ・夜梅 よるのうめ・梅柳 うめやなぎ
図説俳句大歳時記 春 350ページ 角川書店
カラー版 新日本大歳時記 春 196ページ 愛蔵版 218ページ 講談社
季語別 子規俳句集 春 103ページ 子規記念博物館
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明治18年
梅のさく門は茶屋なりよきやすみ
明治20年
谷中にある清水うしの墓にもうでゝ
一枝やたましひかへす梅の花
散る梅は祇王桜はほとけ哉
白梅にうすもの着せん煤拂
明治22年
ものいはず顔見ずと手さきへなとさはつたら
闇の夜は鼻で探るや梅の花
明治23年
盆栽に梅の花あり冬こもり
梅見の記の後に題す
鶯やとなりつたひに梅の花
明治24年
紅梅は娘たのんで折らせけり
紅梅や翠簾のすき影衣の音
紅梅や垣をへだてゝ娘同士
梅さくや藁屋四五軒犬の声
紅梅はまばら也けり窓の影
明治25年
長閑さや障子の穴に梅見えて
せり吟
万歳の鼓にひらく梅の花
大木に喰ひついてさく梅の花
くひついて古木に咲や梅の花
片枝は磨鉢黒し梅の花
紅梅や雪洞遠き長廊下
松山
古町より外側に古し梅の花
梅ちらりちらりと松の木の間哉
紅梅や式部納言の話声
紅梅の一輪殘る兜かな
梅の花白きをもつてはじめとす
紅梅の可愛や雪の朝朗
梅正に綻びそむる紀元節
浪花津は海もうけたり梅の花
馬繋ぐ薄紅梅の戸口かな
紅梅に琴の音きほふ根岸哉
明治26年
陽炎 かげろふ
陽炎や梅ちりかゝる石の上
訪人不遇
鶯や梅には居らで松の中
根岸
鶯や年〃ふゑる梅の花
病中〔二句〕
鶯の梅に下痢する餘寒哉
鶯や梅のあたりに声がする
鷽 うそ
鷽なくや花も実もなき梅嫌
燕
山里は梅さく頃の燕哉
風引のあるじ持ちけり梅の花
山寺に京の客あり梅の花
いも粥の名所よさて梅の花
旅人や鞍につけたる梅の花
蠣殻のうしろに白し梅の花
病人に一枝見せん梅の花
ひしひしと杉の木の間や梅の花
山里や大根干す木に梅の花
松一木あちらむきけり梅の中
何といふ鳥かしらねど梅の枝
瑞垣や杉ほの暗く梅白し
名所に住むや梅さく只の家
莟一つ二つは梅のすはえ哉
病人が盆栽の梅咲きにけり
琴の尾や螺鈿に梅のちらし咲
梅さくや行尽江南数十程
鉢の梅浮世の義理に開きけり
蓑虫は留守かお宿か梅の花
室の梅花なき春は来たりけり
梅もたぬ根岸の家はなかりけり
隠れ家や梅ちる時の面白き
鎌倉は屋敷のあとの野梅哉
嵯峨
柿畑に去来があとか梅の花
うれしやな都出る日の梅日和
旅中口吟〔二句〕
岡あれば宮宮あれば梅の花
家一つ梅五六本こゝもここも
鶴岡八幡
銀杏とはどちらが古き梅の花
金杉や梅にかけたる売家札
金杉や梅にかけたる貸家札
梅の花ついたち頃の夕かな
秋虎の妻を悼む
わりなしや樒にまじる梅の花
悼武智老儒
極樂や君が行く頃梅の花
病中
一枝は藥の瓶に梅の花
青克≠フ閑栖をとふ折から舊臣より同氏に送りこせし文の末に旦那様とあるを取りて
面白や梅三本の旦那様
紅梅
紅梅や万歳ばかり烏帽子にて
紅梅や女三の宮の立ち姿
紅梅や柴舟見ゆる垣の外
紅梅の咲くより猫の静か也
紅梅に檐は古びぬ翠簾作り
根岸草庵
紅梅の隣もちけり草の庵
妻におくれたる秋虎のもとに遣す
思ひ出す頃を紅梅のさかり哉
三平二満画賛
其鼻や頬や紅梅の二三輪
梅柳
京を出る旅人多し梅柳
素香亭
古池にちりこむ梅かな椿かな
錬卿の新婚を祝ひて
嶋台に梅も残りて初さくら
明治27年
日影薄く梅の野茶屋の寒哉
鍛冶か火に梅ちりかゝる餘寒哉
二月
一村の梅咲きこぞる二月哉
春雑
鶏鳴くや椿の垣根梅の門
根岸
紅梅も菜種もさくや門の中
鶯
鶯の尻のす見たり檐の梅
鶯の梅嶋村に笠買はん
根岸
鶯や梅の湯戻り五六町
梅さくや納豆を鬻ぐ法師あり
詩僧あり酒僧あり梅の園城寺
垣つゞき梅さく横町横町哉
梅咲くや黒板塀の曲り角
鍋提げて梅折る里の女かな
袴ぬいで梅の日曜土曜かな
松青く梅白し誰が柴の戸ぞ
板塀や梅の根岸の幾曲り
梅咲くや瑞光殿の鈴の音
梅を見て野を見て行きぬ草加まで
鳥居より三町奥や梅の花
梅さくや水をめぐらす人家幾村〃
鰤くふや草加の宿の梅の花
いたづらに梅老いけりな藪の中
梅咲て仁王の面の赤さかな
梅咲くや普請出来たる大師堂
何といふ寺とは知らず梅の花
道狭く梅さげて行く女あり
野の道や梅から梅へ六阿彌陀
門ありて梅あり玄関はるかなり
山寺の大摺鉢や梅の花
大城の廓残りて梅の花
奥山や屋根に石おく梅の花
瓢箪の看板は何梅の花
二月一日徒移に
梅さくや本箱荷ふ破れ袴
弘道舘
古書千巻文質彬々として梅の花
龍老てのど首に梅の二三輪
草庵
根岸にて梅なき宿と尋ね来よ
訪人
こゝぢやあろ家あり梅も咲て居る
訪人
梅の花寒水石の寒さかな
根岸〔二句〕
梅さくや竹垣杉垣小柴垣
家五百ことごとく梅咲きにけり
鳴雪翁とつれだちて行きけるに翁は梅見にまかるとて道より別れければ
右へ町左へ梅の別れかな
夜梅
梅か香に一村こもる月夜哉
夕月や梅ちりかゝる琴の上
梅散る
梅散るや山の井をくむ人もなし
溝川に梅散りかゝる家鴨哉
梅散て苔なき庭の夕寒し
梅ちるや一寸程の魚躍る
僧の坐す石ひやゝかに野梅散る
鎌倉や野梅ちる日に我来たり
梅散て又大仏の寒げなり
紅梅
紅筆に薄紅梅を染めて見ん
紅梅や翠簾をこぼるゝ緋の袴
雪ちらちら薄紅梅の妻戸哉
梅の中に紅梅さくや上根岸
紅梅や一町奥に藥王寺
紅梅のかなた爪琴こなた笛
梅柳
梅柳川に臨みて誰が楼ぞ
咲きにけり廃院の梅五百本
明治28年
女そゞろ梅折りなやむけしき哉
染物のそばに梅咲く根岸哉
まだ寒し野梅力を入れて咲く
紙燭して梅の中行く女哉
人や住む梅に戸ざして笛の音
舟で行き歩で行く梅の十ヶ村
谷川や橋朽ちて梅おもしろき
古寺や葎の中の梅の花
一樹仰ぎ一樹伏し梅渓に臨む
茶畑やところところに梅の花
杉垣の外に一枝梅の花
有明の杉に隠れて梅の花
仏黒く賓頭留赤し梅の花
頸巻に顔包む人や梅の花
蓬生の中にくねりて梅一木
裾山や畠の中の梅一木
仏刻む小窓に古りぬ梅の花
大原や黒木の中の梅の花
奥山や雲に交りて梅の花
梅持て女乗りたる車かな
梅藁屋建仁寺垣衡門
梅の花柴門深く鎖しけり
梅咲くや三千坊のその一つ
梅の花北野によらぬ車あり
宿の梅三日おくれて口をしき
梅を折る娘の顔や垣の上
横町の又横町や梅の花
広島饒津神社
山に倚り水に臨みて梅の花
松山松風會席上
僧や俗や梅活けて発句十五人
紅梅
京極の紅梅遅し古築地
紅梅や秘蔵の娘猫の恋
山本に紅梅咲きぬ一軒家
柴の戸に紅梅咲きぬ巫が宿
温泉の町に紅梅早き宿屋哉
能楽箙
紅梅のちりぢりに敵逃げにけり
松山龍穏寺
めづらしや梅の莟に初桜
偏驚物候新
驚くや旅地に早き梅柳
明治29年
紀元節
二千五百五十六年梅の花
活けんとす梅こぼれけり維磨經
字拙きをあはれみたまへ梅の神
侍の野梅折るなり落しざし
点うつたやうに梅咲く杉の中
きぬぎぬの使来りぬ梅の花
白梅の白きを以て強きかな
禿筆を塚に築きて梅の花
嵐には散らぬ野梅の怒りかな
夢に美人来れり曰く梅の精と
焼け跡の家まばら也梅の花
崖急に梅ことごとく斜なり
加賀様の梅咲きにけり塀の内
杉谷や有明映る梅の花
古庭や鶴の餌に散る梅の花
二三匹馬繋ぎけり梅の門
梅白く散るや熊笹古禿倉
梅咲いて稲荷を祭る小家かな
日影薄き小薮の中や梅の花
朝月夜梅に飯たく匂ひかな
大砲や城跡荒れて梅の花
梅痩せて麥まばら也薮畠
悼
いたはしや梅見て人の泣き給ふ
幽居を驚かされて
故人来れり何もてなさん梅の宿
水戸にて某の翁の家をおとづれける事を思ひいでゝ
梅の花柱かくしは東湖なり
弘道舘
烈公の冠正し梅の花
根岸の夕暮の実景は
灯ともしや楷子かけたる梅の花
前田別邸内の小家を借り住みて
加賀様を大屋に持つて梅の花
殺気紛々十二首の内
梅が香や寂然として九寸五分
梅咲くや劍に仗つて吾起き上る
雑咏
道ばたの千本幟梅の花
紅梅
友禪の紅梅染むる戸口哉
草庵
緋の蕪尽きて紅梅の散らんとす
待恋
君や来ると紅梅一枝門にさす
明治30年
梅が枝にあれ鶯が鶯が
梅林の遥かに見ゆる水田哉
梅ちるや米とぐ女二三人
我梅を手折る隣の女かな
大葬
松明に梅ちりかゝり幕黒し
御車に梅ちりかゝり幕黒し
梅さくや門を鎖して黒き旗
紅梅に牛の涙も氷るらん
巡査梅提げし男を叱る
影踏んで梅の小路を戻りけり
月見ては月か瀬の梅を思ふ哉
梅を尋ねて得ず月に吟して帰る
梅を尋ねて得ず月を踏んで帰る
一痕の月万樹の梅を失す
黒塀や星に透かして梅を得たり
かへり見れば月梅林の上に出づ
ここに梅ありと思ひつゝ闇の小路行く
路に熟して闇に思ふ梅のあり処
僧房の広き窓に梅の影疎なり
僧房の広き窓に梅の影を印す
月に望んで梅ありと思ふ江の南
図らざりき路に迷ひ月の梅を見る
残梅の花二十日の月にいづれ
梅気深くして花も見ず月も見ず
梅深く月下の門を人叩く
紅梅の一枝檐の灯に映ず
築山に灯をともしけり梅の花
梅白く庭の禿倉に灯をともす
僧寝ねたり廊下に満つる梅の影
月二更梅ある家に宿しけり
月ある夜梅ある家に宿しけり
江東の梅少しく月におくれけり
奥に灯あり梅園の門鎖したり
野の梅を折らば折るべく月の留守
大葬
朝鮮の紅梅を手向け奉る
小集
床の梅散りぬ奈良茶をもてなさん
机二つ盆梅を隔てゝ話す
山にこもる湖村一枝の梅を寄す
墨竹の上に瓶梅の影を印す
瓶の口寛くして梅の倒れ易く
梅をいけて薹菜の花をあしらひし
山深く梅の木さへもなかりけり
根岸名所ノ内〔二句〕
鶯横町塀に梅なく柳なし
中道を中に梅さく籬哉
野の道や人行く方へ行けば梅
梅植ん障子に影のさすやうに
根岸
板塀や道窮つて梅の花
梅と棕櫚と野寺の門の内広し
明治31年
紅梅に霙のかゝる餘寒かな
有明や白けて残る梅の西
盆栽の梅散りかゝる硯哉
女児誕生
紅梅の莟のやうな拳哉
根岸
板塀や此横町も梅の花
梅遅き水戸街道や雲雀鳴く
百姓の家をめぐりて梅の花
海苔干した村を過ぎ行く梅見哉
取り合はぬ梅のけしきや庭の松
梅散るや海苔干す磯の汐曇
梅散るや海苔干す濱の汐曇
三味も引き笛も吹く梅の主哉
明治32年
桃に梅を杏に梨をつきし哉
梅捨てゝ桜活けたる雛哉
水邊の梅を画きし屏風哉
惜気なく梅折りくれぬ寺男
苔多き梅の老木や二三輪
梅咲て手を續きかへし仏哉
紅梅や匠か宿の古烏帽子
紅梅の散りし軒端や雲雀籠
紅梅や指貫青き上達部
料理屋の紅梅散りて桜哉
白梅や机据ゑたる窓の外
紅梅や返歌待ち居る文使
星消えて暁梅の寒さかな
明治33年
鶴病みて梅散る頃や冴返る
四月廾二日 梅花硯
行く春の硯に印す梅の花
梅に遊ぶ奏任官や紀元節
海苔漉を見による梅の廻り道
梅多き寺島村や蜆売
お梅見の白粉厚き寒さかな
子に伝ふ笛の秘曲や梅の月
園の梅散るや火のなき煙草盆
尾州侯お庭焼茶碗銘
茶に匂ふ葵の紋や梅の花
玄雄孩児五七日忌
白梅のちりて三十五日かな
連翹や紅梅散りし庭の隅
草庵
石摺を壁に掛けたり梅の花
太刀持は文章生や梅の花
明治34年
花早き梅をあはれむ春の雪
紅梅のしだれし枝や鳥も来ず
琴聞え紅梅見えて屋根見えて
伐るも惜しき薄紅梅の老木かな
明治35年
転居シテ椿咲ク庭梅ちる戸
紅梅の鉢や寝て見る置所
火を焚かぬ煖爐の下や梅の鉢
紅梅や平安朝の女だち
紅梅に中日過し彼岸哉
紅梅の落花をつまむ畳哉
紅梅の散りぬ淋しき枕元
盆栽の梅早く福寿草遅し
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