正岡子規の俳句を子規直筆の原稿で味わうショートタイムトリップ。

凡例
子規俳句 季語・季題検索 時候 動物 蝶
蝶 ちょう・蝶蝶 ちょうちょう・胡蝶 こちょう・初蝶 はつちょう
図説俳句大歳時記 春 338ぺージ 角川書店
カラー版 新日本大歳時記 春 188ページ 愛蔵版 212ページ 講談社
季語別 子規俳句集 春 97ページ 子規記念博物館
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明治20年
胡蝶飛ぶ簾のうちの人もなし
明治21年
山焼くや胡蝶の羽のくすぶるか
明治23年
胡蝶飛び風吹き胡蝶又来る
蝶ふたつ風にもつれて水の上
蝶飛ぶや山は霞に遠くなる
明治24年
行脚の笠に題す
道づれは胡蝶をたのむ旅路哉
うつ杖のはづれて嬉しとぶ胡蝶
わらじの緒結ぶや笠にとぶ胡蝶
明治25年
涅槃像胡蝶の夢もなかりけり
蝶蝶や順礼の子のおくれがち
蝶蝶やをさな子つまむ馬の沓
迷ひ行く胡蝶哀れや小松原
五ッ六ッかたまつてとぶ胡蝶哉
風に来て石臼たのむ胡蝶哉
蝶ふせた五器は缺けたり面白や
さかさまに何の夢見る草の蝶
明治26年
春の夜や何の夢見て蝶一つ
折〃は馬の尾近し寝る胡蝶
牛寝るや一かたまりに飛ぶ胡蝶
草の葉に児の這ひよる胡蝶哉
くみあふて一つに見ゆる胡蝶哉
垣こえて又低く飛ぶ胡蝶哉
小比丘尼の抓みかねたる胡蝶哉
二三町出舟追はへる胡蝶哉
何色に染めても若き胡蝶哉
横にくみ竪にほくれて蝶二つ
ひらひらと風に流れて蝶一つ
萍の生初て蝶のやどり哉
そよそよと胡蝶の鬚のたわみ哉
蓬生や蝶吹き返す夕嵐
胡蝶三つ二つ一つに分れけり
蝶一つひらひらひらと又一つ
蝶舞ふや太刀ふりかざす居合抜
蝶蝶や人なき茶屋の十団子
蝶飛ぶや二子の山の山はづれ
蝶蝶や下山の若衆たゞ一人
初蝶のさはれば折れる枯薄
初蝶や氷見つけてとまらんとす
旅行
蝶とぶや道道かはる子守歌
荘子
石に寝る蝶薄命の我を夢むらん
山吹
風吹て山吹蝶をはね返し
藤
かんざしの蝶ちらつくや藤の花
明治27年
人の背に蝶蝶なぶる小猿哉
蝶〃や旅人になつて見たく思ふ
水鉢の水のみに来る胡蝶哉
蝶追ふや旅人餅を喰ひながら
並松に人もなし胡蝶ひらりひらり
大橋の裏に蝶飛ぶ日和哉
船橋のふわふわ動く胡蝶哉
二重橋
蝶ひらひら御橋の裏に朝日さす
明治28年
蜘の巣に胡蝶のからのあはれ也
ひらひらと蝶蝶黄なり水の上
傾城も居らず蝶飛ぶ仲の町
窓の影やとまりて動く蝶の羽
曳舟の綱にまつはる胡蝶哉
菜花
菜の花や餘念もなしに蝶の舞
明治29年
茨にかけし胡蝶の羽の破れたる
たましひは蝶に取られてもぬけ姫
浅草や鳩の羽颪離れ蝶
動物雑
蝶待つと端居し居れば虻の声
明治30年
写生廾日堂成りて今や蝶を着く
蝶々や唐子行列して遊ぶ
虻よりも小き蝶の飛んで居る
箱の画や子供に蝶の羽生えたる
夢想
蝶々の高く飛ぶ五階かな
蝶々や一かたまりになつて飛ぶ
椽へ出てたまたま蝶を見る日哉
野の道や書生美しき蝶を網す
うつくしき胡蝶を網す嬉しさよ
蝶いろいろ揚羽山女郎なんど来る
明治33年
行く春の山吹散つて蝶白し
蝶飛んでゆすらの花のこぼれけり
花多き隣へ去りし胡蝶哉
庭に来る胡蝶うれしき病後哉
牛糞にとまらんとせし胡蝶哉
胡蝶翩々として二つ飛び又一つ来る
山越えて蝶見そむるや家少し
虻の居る花に過ぎ行く胡蝶哉
菜の花を出でゝ飛び行く蝶黄なり
蝶飛ぶや人なき城に日のあたる
ガラス戸の外を飛び行く胡蝶哉
蝶々の来ベき庭なり桜草
山吹を三たびめぐつて蝶去りぬ
山吹に蝶吹き飛ばす嵐哉
明治34年
春の間に雄蝶雌蝶の銚子かな
明治35年
悼蘇山人
蝶飛や蘇山人の魂遊ぶらん
蝶〃ヤ駅々ノ子守歌
蝶ノ羽二霜置ク夜半ヤ冴エ返ル
蝶飛ブヤアダムモイブモ裸也
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