僧返る竹の小道の餘寒哉
漂母我をあはれむ旅の餘寒哉
雨だらだら餘寒をふつて落しけり
冬はさもなくて餘寒の強さ哉
家君の二十五回忌にあひて
手向くるや餘寒の豆腐初桜
なにがしの忌日ぞけふは冴え返れ
腰の疾に罹りて
立たんとす腰のつがひの冴え返る
冬季の発句を点して返すとて
今返す冬の発句ぞ冴えかへる
凍解に木履はいたる女かな
田楽や庵あたゝかに笑ひ声
生ぬるき風吹く闇の汐路かな
赤飯の湯気あたゝかに野の小店
浅草ややゝあたゝかき撫仏
あたゝかき風がぐるぐる風車
のどかさや小娘一人一軒家
のどかさや煮売屋のぞく旅の人
のどかさや娘が眠る猫が鳴く
のどかさや里の祭の蛇遣ひ
のどかさや千住曲れば野が見ゆる
病起
のどかさや杖ついて庭を徘徊す