梅のさく門は茶屋なりよきやすみ
夕立やはちすを笠にかぶり行く
ねころんて書よむ人や春の草
小娘の団扇つかふや青すだれ
木をつみて夜の明やすき小窓かな
朝霧の中に九段のともし哉
初雪やかくれおほせぬ馬の糞
一重づゝ一重つゝ散れ八重桜
ちる花にもつるゝ鳥の翼かな
春雨や柳の絲もまじるらん
散る花のうしろに動く風見哉
鶯や木魚にまじる寛永寺
胡蝶飛ぶ簾のうちの人もなし
谷中にある清水うしの墓にもうでゝ
一枝やたましひかへす梅の花
同 学生よりあひて人の目的を投票にて定めける時
それそれに名のつく菊の芽生哉
同 観音堂
むら鳥のさわぐ所や初桜
散る梅は祇王桜はほとけ哉
上野
花の雲かゝりにけりな人の山
清水氏一周忌
落花樹にかへれど人の行へ哉
ぬれ足で雀のあるく廊下かな